方針転換
三度目の折伏(しゃくぶく)に失敗した佐藤達チームサティアン。紅華の折伏マニュアルには何をやっても折伏できない場合、または手法を知られている場合には、折伏対象を苛めたり、嫌がらせをしたりして痛めつけるべしと書いてある。そこで佐藤はチームサティアンに対して鳥居教授に対する嫌がらせ折伏作戦を実行するように命令した。ただし自分は嫌がらせの実行犯には加わらなかった。なぜなら…。
佐藤
「マニュアルによれば私が嫌がらせの表に立つと逆効果だからあんた達が自主的に嫌がらせをやっているように見せるんだよ。」
ということだった。
早速、嫌がらせ折伏作戦が実施された。まず鳥居教授が牢屋に監禁された。今までは軟禁状態で行動の自由が許されていたが、完全に拘束されてしまった。そして、チームサティアン連中は鳥居教授の牢屋を通り過ぎる度に悪口を言ったり、鳥居の牢屋の壁を蹴ったりした。
石井
「鳥居のネトウヨキモオヤジ、あんたうっとうしいぜ。日本が大事とかぬかしちゃって。」
山本
「ネトウヨの差別主義者は見てるだけでムカつくんだよね。」
田口
「埼玉も半分近く占領されて東京まであと少し。もう日本政府なんて風前の灯火だよ。そんな日本を助けるなんてバカなんじゃないの。これからのアジアは中国の時代。そして日本は紅華学会の支配下に入るんだよ。そんなことも分からないの。」
こういうことを口々に言っては通り過ぎて行った。しかし鳥居教授が日本を助けたいという気持ちは揺るがなかった。そして、持ち前の歯に衣着せぬ物言いでこういい返した。
鳥居
「お前ら元カナリア真理教信者なんだって。見るからにそういう外見だから笑っちゃったよ。だから人のことあれこれ言える外見じゃないでしょ。ははははは。」
鳥居
「やっぱり日本でテロを起こした教団の信者だけあって日本がよほど嫌いと見える。しかしそんなに嫌なら日本から出ていって朝鮮半島でも中国でも暮らせばいいのに何でそうしないの?」
すると今度は鳥居教授を釣るようなことを言ってきた。
山本
「紅華学会に入れば凄い生活が待ってるよ。普通の生活で終わりたくないでしょ?」
鳥居
「凄い生活って働いた金を絞り取られて更に監視要員として日夜こき使われる生活?確かにそりゃ凄いわ。ははははは。」
実際、鳥居教授の言っていることは事実であった。紅華学会は一般市民、特に紅華学会への敵対者や脱会者、更にはその家族や関係者までを監視対象にしており、信者達は警備活動という名目でその監視活動に動員されていた。
図星を突かれて怒ったチームサティアン連中は鳥居教授への嫌がらせを強めた。
石井
「お前みたいな鉄オタキモネトウヨは必ず潰してやる!働けないようにしてやる!」
山本
「鉄オタオヤジでネトウヨの鳥居さん。あんた紅華に入信しないと工場勤務だよ。」
田口
「あの大帝国の中国に日本が勝てるわけないでしょ。日本を助けようなんて愚かなことだよ。ははははは。」
チームサティアンの連中は鳥居教授への嫌がらせを激化させたが、その一方で鳥居教授が自殺したり、嫌がらせが表面化しないか心配になった。
石井
「鳥居が自殺したり、嫌がらせが表面化して問題になったりしないですかね?」
佐藤
「鳥居教授は自殺したりはしないわ。それに嫌がらせが表面化したら私が揉み消すから大丈夫。私のコネクションで表面化しないように何とかするわ。だから安心して嫌がらせをして。バレなきゃ何をしてもいいのよ!」
山本
「分かりました。」
チームサティアンの連中は嫌がらせ折伏を続けた。
山本
「日本、日本ってネトウヨみたいでうっとうしいんだよね。でも日本政府には鳥居教授は新政府側に寝返ったって通達しておいたから。貴方はもう裏切り者です。あははははは。」
田口
「紅華学会と中国の邪魔ばかりしているともう大学で研究なんかできなくなるよね~。」
石井
「そうだぞ。もはやお前の研究者としての人生は終わりだよ。配送センター勤務だな。」
実際、佐藤らチームサティアン連中は鳥居教授を埼玉大学から追い出す工作を進めていた。佐藤は司令官としての立場を利用し、支配地域に住んでいた鳥居教授の上司に当たる豊谷学部長を自室に呼びつけていた。
佐藤
「学部長、埼玉大学は鳥居教授のような差別主義者をいつまで野放しにしておくつもりですか?」
豊谷
「別に鳥居教授は何も悪いことはしてませんし、鉱物資源学者として活躍されてもいますから…(汗)」
佐藤
「しかし鳥居教授は過去に中国、韓国に批判的な発言もされていますよね。」
豊谷
「まあその辺は言論の自由ですから…(汗)」
佐藤
「言論の自由は結構ですけれど、差別を助長される発言はいかがなものかと。それに学部長の学部には紅華学会から随分と研究補助金が出ているのに冷たいんですね。学会からの研究費がストップ・・・なんてことにならないといいですけれど。」
豊谷
「そっ…それは困ります。一体私にどうしろと言うのですか?鳥居教授をクビにするのは教授会の了承が必要なんで私の一存では出来ません。」
佐藤
「私から学部長にどうしろなんて申し上げられませんわ。ただ、鳥居教授のような差別主義者を野放しにしておくと紅華学会も考えを変えざるを得なくなるのではないかと申し上げているだけですから。」
豊谷
「しかし下手なことをして事態が表面化したら私の責任問題になります。」
佐藤
「その辺りは大丈夫です。紅華学会の数の力と私のコネクションで表面化しないように完璧にブロックしますし、いざとなったら紅華学会が強力にバックアップします。安心してやって下さい。」
豊谷学部長は佐藤に脅されて鳥居教授への嫌がらせに荷担するようになった。もしかしたら佐藤に味方しておけばこの先何かといいことがあるかも知れないという打算も働いたのかも知れない。
嫌がらせ折伏は続いていた。しかし、鳥居教授がなかなか落ちなかったのでチームサティアンの連中は鳥居教授への嫌がらせを更に強めた。
石井
「鳥居のネトウヨハゲ。必ず潰してやる!」
山本
「ネトウヨの差別主義者」
田口
「鳥居のアホ」
しかし、鳥居教授も負けていなかった。
鳥居
「私は日本をこの窮状から助けたいだけ。それに普通の日本人なら日本が侵略されて喜ぶ訳ない。侵略してきているのは紅華学会を中心とした新政府であり、そのバックにいるのは中国共産党であることは明白だよ。それなのに、それを批判するとなぜ差別となるのか、普通の日本人では持ち得ない考えだね。」
こう反論した。
しかし、彼らは鳥居教授の反論は一切無視して、考えられるだけの悪口を鳥居教授に浴びせていった。更に両隣の牢屋に監禁されていた生田受刑囚となぜが受刑囚になっていたチームサティアンの前田にも嫌がらせをさせた。鳥居教授の牢屋との壁を蹴らせたのだ。
そして、こんな折伏が続いたある日、佐藤はチームサティアンの連中に対し、折伏状況の確認をしに来た。
佐藤
「で、どう?嫌がらせ折伏の効果は?」
石井
「イジッた甲斐がありました。鳥居のオッサン、だいぶ参っているようです。落ちるのは時間の問題です。」
山本
「それにしても、ネトウヨの差別主義者を痛めつけるのは面白いですね。」
田口
「うふッ。もう少しで奴が入信ですよ。最後のイジリでチェックメイト。」
佐藤
「あははははは。そう。痛め付けた甲斐があったわね。もっと痛め付けて必ず入信させるのよ!ただし、私がやらせているとは絶対にバレないように。」
しかしチームサティアンのこういった観測とは裏腹に鳥居教授は一向に落ちなかった。そして、そうこうしているうちに茨木秘書官の進捗確認の日が近づいていた。
佐藤
「どうしよう。また茨木さんの進捗確認の日が近づいてきたわ。しかもエネルギープラントをカプセルホテル型の被災者仮設住宅だと宣伝するためにテレビ局の人間をこっちに送ったそうよ。」
直樹
「今度は今建設中のエネルギープラントに連行してそこで動画を撮って、茨木さんに見せたら?」
田口
「いいね。入信に興味を示していて、エネルギープラント建設にも興味を持っているってことにするんだね。」
山本
「賛成。あとテレビ局は適当に相手しておけばいいでしょ。」
ということで、鳥居教授はエネルギープラントに連れて行かれることになった。
一方、鳥居教授を待っていた網谷は鳥居教授が一向に現れなかったのを不審に思い、林兵に状況確認した。すると、鳥居教授が牢屋に監禁されていることが分かった。林によれば鳥居教授はどこかに連れて行かれたという。網谷は鳥居教授の身を案じた。
佐藤
「マニュアルによれば私が嫌がらせの表に立つと逆効果だからあんた達が自主的に嫌がらせをやっているように見せるんだよ。」
ということだった。
早速、嫌がらせ折伏作戦が実施された。まず鳥居教授が牢屋に監禁された。今までは軟禁状態で行動の自由が許されていたが、完全に拘束されてしまった。そして、チームサティアン連中は鳥居教授の牢屋を通り過ぎる度に悪口を言ったり、鳥居の牢屋の壁を蹴ったりした。
石井
「鳥居のネトウヨキモオヤジ、あんたうっとうしいぜ。日本が大事とかぬかしちゃって。」
山本
「ネトウヨの差別主義者は見てるだけでムカつくんだよね。」
田口
「埼玉も半分近く占領されて東京まであと少し。もう日本政府なんて風前の灯火だよ。そんな日本を助けるなんてバカなんじゃないの。これからのアジアは中国の時代。そして日本は紅華学会の支配下に入るんだよ。そんなことも分からないの。」
こういうことを口々に言っては通り過ぎて行った。しかし鳥居教授が日本を助けたいという気持ちは揺るがなかった。そして、持ち前の歯に衣着せぬ物言いでこういい返した。
鳥居
「お前ら元カナリア真理教信者なんだって。見るからにそういう外見だから笑っちゃったよ。だから人のことあれこれ言える外見じゃないでしょ。ははははは。」
鳥居
「やっぱり日本でテロを起こした教団の信者だけあって日本がよほど嫌いと見える。しかしそんなに嫌なら日本から出ていって朝鮮半島でも中国でも暮らせばいいのに何でそうしないの?」
すると今度は鳥居教授を釣るようなことを言ってきた。
山本
「紅華学会に入れば凄い生活が待ってるよ。普通の生活で終わりたくないでしょ?」
鳥居
「凄い生活って働いた金を絞り取られて更に監視要員として日夜こき使われる生活?確かにそりゃ凄いわ。ははははは。」
実際、鳥居教授の言っていることは事実であった。紅華学会は一般市民、特に紅華学会への敵対者や脱会者、更にはその家族や関係者までを監視対象にしており、信者達は警備活動という名目でその監視活動に動員されていた。
図星を突かれて怒ったチームサティアン連中は鳥居教授への嫌がらせを強めた。
石井
「お前みたいな鉄オタキモネトウヨは必ず潰してやる!働けないようにしてやる!」
山本
「鉄オタオヤジでネトウヨの鳥居さん。あんた紅華に入信しないと工場勤務だよ。」
田口
「あの大帝国の中国に日本が勝てるわけないでしょ。日本を助けようなんて愚かなことだよ。ははははは。」
チームサティアンの連中は鳥居教授への嫌がらせを激化させたが、その一方で鳥居教授が自殺したり、嫌がらせが表面化しないか心配になった。
石井
「鳥居が自殺したり、嫌がらせが表面化して問題になったりしないですかね?」
佐藤
「鳥居教授は自殺したりはしないわ。それに嫌がらせが表面化したら私が揉み消すから大丈夫。私のコネクションで表面化しないように何とかするわ。だから安心して嫌がらせをして。バレなきゃ何をしてもいいのよ!」
山本
「分かりました。」
チームサティアンの連中は嫌がらせ折伏を続けた。
山本
「日本、日本ってネトウヨみたいでうっとうしいんだよね。でも日本政府には鳥居教授は新政府側に寝返ったって通達しておいたから。貴方はもう裏切り者です。あははははは。」
田口
「紅華学会と中国の邪魔ばかりしているともう大学で研究なんかできなくなるよね~。」
石井
「そうだぞ。もはやお前の研究者としての人生は終わりだよ。配送センター勤務だな。」
実際、佐藤らチームサティアン連中は鳥居教授を埼玉大学から追い出す工作を進めていた。佐藤は司令官としての立場を利用し、支配地域に住んでいた鳥居教授の上司に当たる豊谷学部長を自室に呼びつけていた。
佐藤
「学部長、埼玉大学は鳥居教授のような差別主義者をいつまで野放しにしておくつもりですか?」
豊谷
「別に鳥居教授は何も悪いことはしてませんし、鉱物資源学者として活躍されてもいますから…(汗)」
佐藤
「しかし鳥居教授は過去に中国、韓国に批判的な発言もされていますよね。」
豊谷
「まあその辺は言論の自由ですから…(汗)」
佐藤
「言論の自由は結構ですけれど、差別を助長される発言はいかがなものかと。それに学部長の学部には紅華学会から随分と研究補助金が出ているのに冷たいんですね。学会からの研究費がストップ・・・なんてことにならないといいですけれど。」
豊谷
「そっ…それは困ります。一体私にどうしろと言うのですか?鳥居教授をクビにするのは教授会の了承が必要なんで私の一存では出来ません。」
佐藤
「私から学部長にどうしろなんて申し上げられませんわ。ただ、鳥居教授のような差別主義者を野放しにしておくと紅華学会も考えを変えざるを得なくなるのではないかと申し上げているだけですから。」
豊谷
「しかし下手なことをして事態が表面化したら私の責任問題になります。」
佐藤
「その辺りは大丈夫です。紅華学会の数の力と私のコネクションで表面化しないように完璧にブロックしますし、いざとなったら紅華学会が強力にバックアップします。安心してやって下さい。」
豊谷学部長は佐藤に脅されて鳥居教授への嫌がらせに荷担するようになった。もしかしたら佐藤に味方しておけばこの先何かといいことがあるかも知れないという打算も働いたのかも知れない。
嫌がらせ折伏は続いていた。しかし、鳥居教授がなかなか落ちなかったのでチームサティアンの連中は鳥居教授への嫌がらせを更に強めた。
石井
「鳥居のネトウヨハゲ。必ず潰してやる!」
山本
「ネトウヨの差別主義者」
田口
「鳥居のアホ」
しかし、鳥居教授も負けていなかった。
鳥居
「私は日本をこの窮状から助けたいだけ。それに普通の日本人なら日本が侵略されて喜ぶ訳ない。侵略してきているのは紅華学会を中心とした新政府であり、そのバックにいるのは中国共産党であることは明白だよ。それなのに、それを批判するとなぜ差別となるのか、普通の日本人では持ち得ない考えだね。」
こう反論した。
しかし、彼らは鳥居教授の反論は一切無視して、考えられるだけの悪口を鳥居教授に浴びせていった。更に両隣の牢屋に監禁されていた生田受刑囚となぜが受刑囚になっていたチームサティアンの前田にも嫌がらせをさせた。鳥居教授の牢屋との壁を蹴らせたのだ。
そして、こんな折伏が続いたある日、佐藤はチームサティアンの連中に対し、折伏状況の確認をしに来た。
佐藤
「で、どう?嫌がらせ折伏の効果は?」
石井
「イジッた甲斐がありました。鳥居のオッサン、だいぶ参っているようです。落ちるのは時間の問題です。」
山本
「それにしても、ネトウヨの差別主義者を痛めつけるのは面白いですね。」
田口
「うふッ。もう少しで奴が入信ですよ。最後のイジリでチェックメイト。」
佐藤
「あははははは。そう。痛め付けた甲斐があったわね。もっと痛め付けて必ず入信させるのよ!ただし、私がやらせているとは絶対にバレないように。」
しかしチームサティアンのこういった観測とは裏腹に鳥居教授は一向に落ちなかった。そして、そうこうしているうちに茨木秘書官の進捗確認の日が近づいていた。
佐藤
「どうしよう。また茨木さんの進捗確認の日が近づいてきたわ。しかもエネルギープラントをカプセルホテル型の被災者仮設住宅だと宣伝するためにテレビ局の人間をこっちに送ったそうよ。」
直樹
「今度は今建設中のエネルギープラントに連行してそこで動画を撮って、茨木さんに見せたら?」
田口
「いいね。入信に興味を示していて、エネルギープラント建設にも興味を持っているってことにするんだね。」
山本
「賛成。あとテレビ局は適当に相手しておけばいいでしょ。」
ということで、鳥居教授はエネルギープラントに連れて行かれることになった。
一方、鳥居教授を待っていた網谷は鳥居教授が一向に現れなかったのを不審に思い、林兵に状況確認した。すると、鳥居教授が牢屋に監禁されていることが分かった。林によれば鳥居教授はどこかに連れて行かれたという。網谷は鳥居教授の身を案じた。
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